みなさんおはようございます。今回のお話は2012.08.17にFacebookに投稿した記事の転載です。季節は夏でしたので、今とは若干ずれがありますが、ご了承ください。みなさんがお飼いになっているペットのことをよく観察し、そして彼らが幸せに生きているかどうかをよく考えてあげてください。Sammy as a biologist believing in the God.
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
夏休みもあと残りわずか、この夏にカブトムシやクワガタ、金魚などをペットとして飼い始めた子どもたちは多いことでしょうね。きちんと彼らが幸せに一生を終えることが出来るように愛情をかけて育てていますか。
今日はそんなペットのお話です。
それは私が小学校の2年生の頃、生き物好きな父が不思議な段ボール箱を抱えて帰ってきました。そして私と私の兄に庭に来るように言いました。
その段ボールはちょっと変わっていました。動く段ボール箱だったのです。怖くなって「お父さん、これ何?」と聞きました。
父は「いいから開けてご覧」と言いました。箱の中からはとっても小さな柴犬の子どもが出てきました。「名前は二人で相談して決めなさい。」そう父は言い残して家の中に入ってしまいました。
いろいろな名前(ポチとか、タマとか、クロとか)を呼んでみた結果、コロという名前に決まりました。
餌をあげたり、散歩に連れて行ったり、色々と自分達の生活はコロのために変わりました。コロは救急車が通ると遠吠えをしたり(大変興味深いことです)、夜に逃げ出して雌犬のいる家に外出してしまったり、大変でしたが、それなりに可愛い存在でした。
でもコロの基本的な世話は全部兄がやっていたので、自分は犬の臭覚の実験(コロおいで~と呼んでから目の前でおならをしてみる)、人間と犬の順位付けの実験(誰に吠えて、誰に吠えないのか)、寄生虫に関する研究(うんちをよく調べる)、運動能力の調査(スタートダッシュと急な方向転換)、予測能力の実験(餌を片方の手に忍ばせて、投げる仕草をして、どちらに入っているか分かるかを検証)、毛の生え変わりの観察(夏毛、冬毛)などなど、いろんな実験台になっていました。
ただし、残念ながら、彼は次世代を残すこと無くこの世を去りました。
私が高校3年生のとき、兄は既に大学生になり、家にはいませんでした。コロの餌や散歩は私の当番でした。その頃、コロの年齢はおよそ13歳、犬にしては相当のお年寄りです。
あるときから、コロは餌を食べなくなりました。犬小屋の前で座り込んでいることが多くなりました。餌をほとんど食べなくなって一週間ほどが経ちました。コロの体はやせこけ、本当にもうすぐそこに死が待っていることが見ただけで分かりました。
私はもうほとんど動くことも出来なくなったコロのことが心配になり、毎日学校から帰るとすぐにコロのところに向かって体をなでてやることにしていました。もう体の一部は死んでいたのでしょうか、よくわかりませんが、その頃は既に何匹も蠅がコロの体にとまっていました。
さて、その日も学校から帰り、すぐにコロのところへ向かいました。私は「コロ!」と呼びました。コロはもう2-3日前から鳴くことも出来なくなっていたのですが、その日は口が裂けるのではないかと思うほど、大きく口を開けて、頭を持ち上げて突然私に無言で何かを訴えたのです。
実はそれがコロが最後の力を振り絞った行動だったのです。時間にしたら二秒か三秒程度だったと思います。ガクッと頭が地面に落ちて、彼はそこで息を引き取りました。
きっと、私が帰ってくるまでずっと待っていてくれたのでしょう。そして、私が帰ってきたのを知り、彼が出来る精一杯の方法で私に対してこの世の別れを告げたのでしょう。それも相当な無理をして。
私は犬のように大きく賢い動物以外に、カメ、金魚、ゲンゴロウ、ザリガニ、トカゲ、ヘビ、ジュウシマツ、インコ、ニワトリ、カブトムシ、クワガタ、カタツムリ、ダンゴムシ、コオロギ、タニシ、ハツカネズミなど、様々な動物を飼育していました。
そうしたいわゆる小動物と違って、人の言葉も理解し、様々な方法で会話をすることの出来る犬の存在はその後の自分の将来を決定するのに大きな影響を与えたと思っています。
最後に、動物行動学の権威でノーベル賞受賞者のコンラート・ローレンツ博士が彼の有名は著書「ソロモンの指輪」で示した言葉を紹介します。
「ペットは飼い主に飼われ始めたその時から死に始めるのだ」
つまり、人間以外のすべての動物は本来自然界で野生動物として生活していて、子孫を残すために必死に、そして幸せに暮らしているはずですが、一旦人間のペットとなってしまってからは食べ物も、生活の場も、子孫を残すかどうかすら人の管理下におかれてしまうのです。このことは本来の生き物の生活とは異なり、彼らの尊厳を著しく損なうことになってしまうのだ、ということなのです。
この夏休みの間に様々なペットを飼い始めることになった全国の子どもたちへ
ペットを飼うなら、最後まで面倒をみなさい。そして、
彼らもこの地球に生きる仲間だと知りなさい。
彼らが本当に望んだ生活に可能な限り近づけて、そして命の尊さをそこから学びなさい。
私がコロからもらった最後の感謝の言葉をあなたも彼らから得られるように。
「ソロモンの指輪」はAmazonで200円から売っています。まだ読んだことの無い将来の生き物博士へ、今すぐお父さんお母さんに飼ってもらいましょう、いや、買ってもらってください。
(本当の生き物博士になったいきものがかりより)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
本日の講義は以上です。最後に、出欠をとります。以下のバナーをクリックしたことで「出席」と認めます。
・・
No comments:
Post a Comment
Thank you!