Sunday, August 29, 2010

What is Life? 生き物とは?その大前提を覆す癌について(番外編)「癌は何を思う?」

皆様、なかなか涼しくなりませんね、本日は、通常講義の真面目さを、一旦忘れて、「仮に」ということで、おそらく、あり得ませんが、もしも、癌が「生き物」としての「考え」をもっていたら、、、そういうことを、考えてみようと思うのです。

要するにSF小説のようなことを、このWhat is Life?で考えてみるということです。学問的なことは、これまでに癌について、少し書いてきたので、それらをベースにして、発展させるとどういうことがあり得るのかを考えてみたいのです。

ばかばかしいかも知れませんが、どうか、お許し下さいm(..)m。

サミぃは先日、癌について
>周りを押しのけて頑張って増えようとしている「生命力」
>の強い細胞集団です。しかし、増えすぎると、宿主が死亡し、
>自らも命を落とします。では、彼ら、あるいは彼女らは、
>どうしたいのでしょうか?他の人の体にまで、その生息範囲
>を広げようとしているのでしょうか?それは、本人に聞かない

このように書きました。本当に、彼、あるいは彼女は何を考え、何を求めているのでしょうか。で、ここからがSFなのですが、仮に、癌が「個体を死に至らしめても、さらに生息域を周りに広げたい」と考えているとしたらどうでしょうか?もしも、癌がそのための手段を講じようとしているのだとすると、どうでしょうか?

皆様もご存知のように、癌は段々と「質が悪くなる」傾向があります。「分化の程度が低くなり」(胃癌だとすると、意の細胞らしさが弱まってくること)、「悪性度が進み」(浸潤や転移をしやすくなる)、もちろん「増殖のスピードも速まります」し、「免疫システムからの回避能力も高まります」。要は、現在、治療のために用いられている正常細胞と癌細胞との間の違いが、より顕著になっていく訳です。だからこそ、そうした細胞が少しでも残っていて、体のあちこちに転移していると、その治療というのは、より困難になっていく訳です。

その変化がそもそも癌に気持ちや、意志が在って、その結果だとしたら?と考える訳です。何かの理由があって、癌が発生している、そうした必然性を考える訳です。もちろんそのような「必然性」は、そもそも無いのかも知れませんが、、。

で、究極的に考えます。いつも他人事のように書いていますので、それを今回は、自分に癌が発生したときのことを考えてみます。それによって、何かの結論(?)が導きだされるかも知れません。さあ、始まりです。

(1)癌の発生
講義担当教官は、近頃、何だか胃の調子が悪いというか、重いような、そんな感覚があります(という仮定ですので、ご心配下さらなくて大丈夫です、以下も同様です)。気になったサミぃは、近所のクリニックを訪れますが、胃カメラなどは、怖いので、拒否しますと、「夏の疲れでしょう」ということで、胃薬を2週間分処方されました。

薬は、毎日飲みますが、一向に嫌悪感が解消しないため、セカンドオピニオンを求めるために別のクリニックを訪れました。結局は胃カメラを飲み、医師と一緒にモニターを覗くと、明らかに異常な塊が複数見つかり、その場で簡易検査と共に、内視鏡による切除手術が施されました。医師からは、組織を検査してみないと、詳細は、現時点では分からないと告げられました。

(2)癌の確定
検査の結果は陽性、つまり癌でした。それもかなり悪性度の高いものでした。医師がどのように説明するのが普通なのかは、正直、自分が医者でもないし、現場の感覚がないのですが、先日ご紹介した本が正しいのだとすると、より悪ければ悪いほど、正確な結果は、本人には伝えない傾向があるようです。いずれにしても厄介な患者であるサミぃは、本当のことを聞き出そうとするでしょうね。しかも、胃カメラによる内視鏡手術を医師とともに体験済みなのですから。どう考えても、全てを切除できたとは思えなかったのです。

(3)あらためて告知
検査が陰性でも陽性でも、今後の治療方針を考えるのは、医師にまかされます。サミぃは、以前、パラサイト・イブ(瀬名秀明著)という本を読んだことがありますので、細胞が意志を有している可能性を常に考えています。はっきり覚えてはいないのですが、確か主人公は、愛する女性の細胞を一部、凍結保存してそれを培養し、その培養細胞が異常増殖をして、主人公と生殖をし、、、、と言ったストーリーだったと記憶しています。

当時、利己的遺伝子説(生命は自らの遺伝子を後世に残すために生きていると考える説)や、共生説(ミトコンドリアや葉緑体といった、独自のDNAをもつ細胞内小器官が、かつての生き物が細胞の中に共生したことに由来するのではないかという説)が盛んに叫ばれていた頃で、作者は、そんな中で、ミトコンドリアが、反乱を起こすというアイデアを小説化したのだと、サミぃは考えました。

いずれにしましても、癌も、何かの「意志」を有していると考えるのは、あながちおかしな考えでもないと、サミぃは思います。サミぃは癌に罹ったら、癌細胞と正常細胞の両方を凍結保存しておいてもらいたいと考えています。精子の保存も依頼するかも知れません。

数年前、夫の凍結保存精子を用いて人工授精して誕生した赤ちゃんを、既に亡くなったご主人の子どもであることを認めて欲しいという訴えがあったと新聞やテレビの報道で拝見しました。サミぃとしては、それは当然だと考えました。

すみません、いつもの悪い癖で、横道に逸れてしまいましたね(^^;)。要は、検査は陽性で、すでに体のあちこちに転移していることが予想される訳です。さて、どうするか、いや、癌はどうしようと考えているのでしょうか。サミぃとしては、愛する家族に将来培養してもらうことを目的として細胞を速やかに凍結保存してもらうと思います。

癌は、私の体を蝕むことで何をしようとしているのでしょうか。

(4)悪化
途中の治療経過は、この際、省略して、外科手術、抗癌剤治療、放射線治療からなる標準治療を受けましたが、病態は悪化し、転移は体全体におよび、余命はひと月です。ここは、体験していないので、想像になるのですが、先日ご紹介した本にありますように、サミぃはお別れパーティーを病院で開き、両親、兄弟、甥や姪、愛する女性、こどもたち、そして、友人や、先生方を相手に、私という存在をどうかお忘れなきように、と挨拶するでしょう。

(5)目的
しかし、それはサミぃという個体の問題で、彼(サミぃが男ですので、癌も雄のはずです)は、次に何をしたいと考えているのでしょう。サミぃが考える彼の意志は、きっと、他の個体への生息範囲の拡大だと思うのです。癌は、自己から発生していますが、正常細胞とは、異なるタンパク質を作るようになるので、通常であれば、免疫システムによって除外されます。

彼は、そうしたものから逃れて、どんどん私の体を蝕んで、そして、細胞数を増やそうと、必死に努力しているのです。最初は一つの細胞だったはずです。ここまで宿主を痛めつけるのは何故でしょうか、どうやって、他の個体へ移動するのでしょうか。

癌の研究を行う際には、主にネズミを用いて、人工的に、癌細胞を移植することもございます。治療方法の有効性を確かめる目的には、屢々用いられることです。そうして人工的に癌が移植されたネズミは、治療を受けないと、亡くなります。受けたとしても、その効能を調べるために、殺されることが多いです。動物実験の残酷さは、ここにあるのです。だから慰霊祭というものが、行われるのですが、そうしたこと(実験材料になること)を望むネズミはいないはずです。

おっと、すみません、また、、、。

(6)結論
なかなか、難しいのですが、癌に意志(考え)があって、必然性により、悪性化と増殖の活性化を行い、宿主を死に至らしめるのは、きっと、生息域を他の個体に広げる目的があるのだ、とサミぃは考えます。その手段が思いつかないのですが、例えば、私の癌組織が、勝手に移動して、それで、他の個体に入り込む、そんなことがあるとしたら、、、、あ、そうか、生殖か、、いや、待てよ。どうでしょうか。いや、でも、そんなことで、彼は移動出来るのか?まさかな、、。だとすると、他には、人ではなくて、動物を考えると、何か、導けないか、、?あるとしたら、死んだ個体を、他の個体が食べて、そこで癌が「感染」するくらいしか考えられませんね。ちょっと、分かりません。「自己と非自己」という大事な話にも関係してくるので、これ以上は、サミぃにも理解不能です。

すみませんm(..)m。こうして講義を行えば、何らかの結論、すなわち彼の真の目的と、その目的を達成するための手段を導きだせると考えたのですが、なかなか最後が難しいですね。宗教家は、当然、この癌も神様も思し召しだと、考えるはずです。ですから、それを機会があれば聞いてみたいですね。その方が早かったりして、、、。

(7)おまけ
科学と宗教の根本は「真理の追究」であり、相容れないものでは無いということを表した映画がございます。それがコンタクトでございます。サイエンスを志すつもりの方、あるいは、既に志していらっしゃる聴講生の皆様、価値観というか、宗教に対する偏見が少し和らぐと思いますので、機会がございましたら、ご覧になって下さい。

本日の講義は以上です。最後に、出欠をとります。以下のバナーをクリックしたことで「出席」と認めます。


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