皆様、地域によってはそろそろ、夏休みもおしまいでしょうね。自由研究は済ませましたか?参考までに、知り合いの息子さんに指導した自由研究を紹介致します。
テーマ「パン作りに使う酵母の役割について」
目的:パン作りは楽しく、パンはおいしいが、そこに酵母というものを使う意味が分からないので、それを調べる。
方法:酵母無し、酵母半分、酵母普通、酵母2倍の4つの条件でパンを焼く。
結果の評価:味、色、重さ、形、大きさ、匂いなど。
考察:酵母がパン作りにどのような意味を持つのかを、結果から考えて、本を調べて確かめる。そして、その結果から考えられる一番いい条件で、もう一度たくさんパンを焼く。
もしも、今、自由研究でお困りのお子様がいらっしゃり、これでもいいかな?と、お考えの方がいらっしゃいましたらどうぞ。他にも自由研究の相談が、もしあれば、メールなどでご相談下さい。
さて、また、前置きが長くなりましたね。本日の講義は科学を構成する主要な学問(生物学、化学、物理学、数学)の関係を考えてみます。
サミぃは生物学者ですので、研究の対象はどうしても、殆どが生き物由来のタンパク質や、遺伝子、糖鎖、あるいは、細胞、組織、個体ということになります。しかし、より詳細な現象の解析をするためには、その対象が物質だと考える必要があります。タンパク質だって、遺伝子だって、複雑では在りますが、物質(あるいは化合物と言った方が適切かも)です。
そうしたことは分かっているつもりですが、生命現象の基本は「酵素」というタンパク質が担っており、それが、反応エネルギーを低下させることなどを教科書では習いますが、何となく「神様的」に考えてしまって、細かい分子レベルでの考えを忘れがちです。
では、化学者はどうでしょうか。化学は天然物(有機化学とも)、非天然物(無機化学)の二つに大きく分かれていますが、根本的には、化学反応は電子のやり取りなのだと習うはずです。これは生物学者は習いません(というか、本当は習うのですが、現場では忘れられています)。
神秘的な生命現象が、結局は「電子のやり取り」だと結論づけてしまうと、精神とか、感情とか、欲望さえも、何か、意味の無いように感じられてしまいます。
では、その先の物理学者はどうでしょうか。物理学も様々な分野がございますが、e=mc^2という基本法則に従って、原子のさらに内部のクオークや、物質、反物質、宇宙の成り立ち、そうした方向性を追究する学問だとサミぃから見ると、見えます。
実際、ビックバンによって、この宇宙が生まれたとされていますが、その前は?という疑問は誰しも考えることでしょう。しかし、残念ながら、それはまだはっきりとは分かっていませんし、そもそも、その場を見ることなど不可能です。ビックバンを加速器で再現することは、難しいのではないでしょうか(これは専門外なのでご存知の方がいらっしゃれば教えて頂きたいです)。
さらに、電子のやり取りでさえ、ビックバン後のエントロピー(複雑さ)の増大であると言われてしまっては、それこそ元も子もないわけで、生物学者の努力は、あ〜あとなります。
何だか、ねずみの嫁入りのような話になってきましたねo(^-^)o。さて、物理学が一番偉いのでしょうか?あ、そう言えば、ワトソンとクリックによる、DNAの二重螺旋構造の発見は、生物学ではなく、物理学の勝利だとされているそうです。
で、物理学より強いのは誰でしょうか?それが数学です。どんなに優れたアイデアを持っていたとしても、数学で証明し、それを実験で証明して、理論が確立するのです。
<結論>
科学で一番強い(?)のは数学さんです。しかし、数学の専門家が、生物学における生命現象を、数式で証明できると習っているでしょうか?生物学、化学、物理学、数学は串に刺さった団子なのです。みんな関係があるのです。それがScienceなのではないでしょうか。今後、What is Life?を論じる際に、サミぃは、それを心がけて参ります。今後ともどうかよろしくお願い致します。
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