阪神タイガースは中日ドラゴンズに負けて、マジック点灯はなりませんでした。残念です。先発投手のコマ不足でしょうか。そう言えば今頃、井川慶選手はどうしているのでしょうか。彼に帰ってきてほしいと思います。
さて、今日から数回に渡って「変態」についての講義を行います。言いにくいことですが、これまで50回以上に渡って扱ってきた内容は、What is Life?の、ほんの序章に過ぎませんでした。と言いますのも、これまでの内容は、一般教養に近いもので、所謂、「理科1の生物」のようなものでした。今回からの「変態」シリーズは、サミぃの専門分野ですので、きっと、聴講生の皆様にも楽しんでいただける内容だと思います。もちろん、今まで通り、出来るだけ難しくはしないつもりです。なお、気になることがございましたら、コメントやメールでお気軽に、お聞きください。
まず、第1回目の今日は、「変態」とは何か、ということから話を始めます。皆様、「変態」とは何でしょうか?多くの方は、「変態」と聞くと、「エッチな人」などと言う場合の「Hentai」を想像することでしょう。もちろん、「H」は、この「変態」が語源となっておりますが、生物学的な「変態」は、それとは全く異なる概念を意味します。
「変態」とは英語でMetamorphosisであり、分かりやすく言うと、こども(幼生)から大人(成体)へと体を大きく作り替える現象のことを指します。もちろん、「変態な人」はいるかも知れませんが、「変態をする人」はおよそいらっしゃいません。
「変態」をする生き物として有名なのは、カエルなどの両生類と、節足動物の代表である昆虫ですね。ところが、実は、動物系統学的には、広く動物界を見渡してみると、殆どの動物は、「変態」を行います。「変態しない動物」の方が、実は極めて稀で、「変態しない動物」というと、単胚葉の海綿動物や、脊椎動物の一部(爬虫類、鳥類、哺乳類)などがそれに当たります。あの原始的なクラゲでさえ、立派に「変態」するのです。
皆様も、授業などで習ったことがおありでしょうが、「変態」は多くの場合、ホルモンによって調節されております。カエルの変態(尻尾の退縮や肢の伸長)、昆虫の変態(蛹化や羽化)などは、前者が甲状腺ホルモン、後者がエクダイソンによってコントロールされております。
翻って見て、私たちヒトはどうでしょうか?ヒトにも甲状腺という臓器(器官)が存在し、そこから分泌される甲状腺ホルモンは、様々な生理的作用を有しております。でも、変態はしませんね。何故でしょうか?本当は私たちの体は幼生なのでしょうか?それとも、発生の段階で「コヤスガエル」のように、変態してから生まれているのでしょうか?
前者の考え方を「幼形成熟(ネオテニー)」と呼びます。つまり、「ウーパールーパー」のようなものということでしょうね。ただ、あれは単に、尻尾が縮まないで生殖巣が発達しているだけとも考えられますが、。
仮に、ヒトが幼形成熟だとすると、ウーパールーパーと同じように、外から甲状腺ホルモンを投与すると、退縮する尻尾のようなものがあっても良さそうですが、そのようなものは見当たりません。しっかりとした四肢と、生殖巣もございます。もちろんそうしたものの発達は、これまで何度も説明いたしておりますように、中学生の頃に起こる、「第二次性徴」の際に見られます。魚類における「銀化」と同様だとサミぃは考えております。
本日は「変態」の定義について説明いたしました。次回は「ホルモンによる調節」に関して説明いたします。
<結論>
(1)「変態」は、殆どの動物に見られる幼生から成体になる際の変化
(2)「変態」は、ホルモンによって調節されている
(3)ヒトは「幼形成熟」か??
本日の講義は以上です。最後に、出欠をとります。以下のバナーをクリックしたことで「出席」と認めます。
No comments:
Post a Comment
Thank you!