Saturday, August 21, 2010

What is Life? 生き物とは?その大前提を覆す癌について(その5)

さて、本日は、これまでの続きとして、「癌の発生メカニズム」に関する講義を行います。これまでに、「癌」の特徴として、以下のようなものを示しました。改めて、ここに示します。

>1、癌は、死なない細胞です。
>2、癌は、未熟な、未発達な、きちんと組織(皮膚とか、胃とか、肺とか)になっていない細胞です。
>3、癌は、他の細胞よりも速く増殖します。
>4、癌は、もともとは、自分の細胞なのです。
>5、癌の細胞は、研究用に、世界中で培養されています。サミぃもたくさん使ってきました。
>6、癌は、遺伝子に異常があることが多い細胞です。
>7、癌は、他の組織を分解して、どんどん広がっていく厄介者です。
>8、繰り返します、癌は死なない細胞です。ただし、これは寿命が無いという意味です。

こうした異常な細胞は、通常であれば、免疫機能によって、攻撃され、増えることはないと言われております。体の中で、毎日数十〜数百の癌細胞が生まれていると言われておりますが、そうした奴らは、免疫力がしっかりしてれば、増えることはないのです。

しかし、生き物は、年を取ると、体のあちらこちらに異常が生じます。筋力が衰えたり、ホルモン産生の変化による、更年期障害の発生や、骨密度の低下、あるいは、所謂ハゲなど、あらゆるものが、「老化」により発生します。その一環として、免疫力の低下が起こる訳です。

サミぃは、以前「若返る方法」について、講義しました。体の発達と成長、および性徴が起こる年代は、免疫力に関しても、高度に活性化していると予想出来ます。そうだとすると、免疫力の低下を補う(?)として、販売されている、健康食品にお金をかけるくらいなら、こちらの方がいいのでは?と思う訳です。

さて、「癌の発生メカニズム」について、説明致します。癌は、専門用語によって説明すると「不死化した、未分化細胞集団」ということになります。「不死化」とは、「死なない」ということではなくて、正確には、寿命が無くて、何度でも無限に分裂可能であることを意味します。あなたの体を構成している細胞の大部分は、細胞分裂出来る回数は有限です。難しい言葉を使いたくないので、省きますが、そういうことです。だから、体の大きさは、常に、ほぼ一定なのです。ところが、この「癌細胞」は遺伝子に異常が発生し、その細胞分裂回数のリミッターが壊れてしまっているのです。

さらに、「未分化」に関しても説明しなければなりませんが、これは、以前も少し触れていますよね。分かりやすく言うと、こうです。例えば、血液中にたくさんある赤血球は、もともとは赤くないのです。赤くない、ほぼ無色の細胞が、もともとあって(造血幹細胞)、それが、何回か、細胞分裂しながら、ヘモグロビンという酸素運搬機能を持ったタンパク質を細胞が作るようになり、それによって、(成熟した赤血球は)赤くなるのです。そうした変化を、専門用語では「分化」と言います。

ですから、「未分化」な血液細胞が「不死化」して、体中に増えると??赤くない血液、すなわち、「白血病」となるわけです。これと同じようなことが、大腸癌や、胃癌、肺癌などにも起こる訳です。その理由はまだ、完全には明らかになっておりませんが、基本的には、遺伝子の異常な変化によって起こると考えられております。

そうした変化が起こらないように、通常ではしっかりしたシステムがあるのですが、それが、「老化」によって、乱れると、癌という病気が発生する訳です。ですから、そうした異常を起こさないようにするためには(素人でも分かる通り)、たばこやお酒といった発癌物質(タール)や肝臓に負担をかけるもの(アルコール)は、出来るだけ避けて、よく寝て、よく食べて、適度に運動し、よく考えて、楽しく生きる、これに限るのではないでしょうか。

仮に、癌にかかったとしても、現在は、早期発見であれば、完治することが多くなってきましたし、さらに、重篤な場合であっても、本人の意志が反映される治療になりつつあるそうです。そして、本当に、命の危険が迫った際には、こちらの本を参考になさるとか、そうなる以前に、その本を読み、シュミレーションをしておくべきだと、サミぃは考えます。

サミぃは、愛する人に、その本を読んでもらいたいと考えております。いつ、何時、何が起こるかは、そのときにならない限り分からないのですから。

さ、本日の講義は以上です。次回は(3)「癌を完治させることの難しさ」について、講義致します。




本日の講義は以上です。最後に、出欠をとります。以下のバナーをクリックしたことで「出席」と認めます。


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1 comment:

Thank you!