Saturday, July 24, 2010

What is Life? 第12回「動物・植物・菌・原生生物の境目(その6)原生生物とは」

さて、本当に暑い夏となりましたが、皆様、いかがお過ごしでしょうか。このところ、少し内容が、横道にそれつつありましたので、本日から、通常講義に戻ることに致します。

まず、これまでのおさらいを致します。
(1)「生き物」とは「自ら子孫を残すことの出来るもの」であること。だから、自分たちは「生き物」で、石ころは「生き物」ではないわけです。

(2)リンネ先生が確立した「分類学」の発展によって、「生き物」には、現代では、「動物」「植物」「菌」「原生生物」の大きく四つのグループが在ること

(3)「動物」の定義は以下のようなものであること
(1)真核生物であること
(2)多細胞生物であること
(3)雄と雌があって、受精して、卵から発生する生き物であること
(4)自ら動くか、体の一部を動かす事ができる生き物であること
(5)食べ物を食べて生活する生き物であること
(6)葉緑体を持たない生き物であること

(4)レーウェン・フックさんによる、「微生物の発見」、ロバート・フックさんによる、「細胞」の発見。

(5)「細胞」を構成する「部品」には、「核」「細胞膜」「ゴルジ体」「小胞体」「ミトコンドリア」「細胞質」「細胞繊維(骨格)」「葉緑体」「細胞壁」等が存在すること

(6)「真核」とは、「核」が膜に包まれていること。「原核」はつつまれていないで、むき出しになっていること。

以上、6つのことを、お話しして参りました。今行っている講義は、「動物・植物・菌・原生生物の境目」について、説明しておりますので、本講義で、次に扱うべき内容は、「原生生物とは何か」ということになるかと思います。よって、本日は「原生生物とは何か」について説明致します。

*ただし、先日、お話しした「原核生物」(例えば大腸菌)は「原核生物」を「原生生物」から分けて考えるために、新たに考えだされた「モネラ界」という別のグループに分類されるので、非常に厄介なのですが、What is Life?では、敢えて、そこは、すっとばして、「真核生物」である「原生生物」の説明から、リスタートします。

「原生生物」とは、おそらく、小学校で、「顕微鏡」の使い方を学んだとき、学校内の、池などから水を採取してきて、その中に「生き物」がいるかを見た際に、もしかしたら、見ていたかもしれませんね。

「原生生物」の定義となると、「真核生物」で、「動物」にも「植物」にも「菌」にも属さない「生き物」で、多くの場合は、「単細胞」の生物ということになります。これは如何にも消極的というか、消去法(?)のような、やり方だと、サミぃは考えますが、その他のグループの定義の方が、しっかりしているので、致し方無いようですね。

さて、以前、「動物」の定義を少しご説明した際に、「受精によって・・・」と言ったはずです。「原生生物」は「動物」ではないので、当然、子孫を残す方法は、多くは「分裂」による、「無性生殖」です。しかし、「昆布」のように、極めて大型(胞子体)で、「胞子」によって、増えるものも含まれています。

おそらく、What is Life?をご覧の「プロ」の方であれば、「性とは」を説明する方が先では?と仰るかもしれません。しかし、分類学が人が作ったもので、様々な「例外」がある以上、致し方無いように、感じております。とはいっても、今後、必ず、「性」についての講義は行います。

えっと、少し話がそれましたね。おそらく顕微鏡、あるいは「教科書」などでご覧になった「ゾウリムシ」「アオミドロ」「ツリガネムシ」「ミドリムシ」などが、「単細胞」で生きていて、「動物」でも「植物」でも「菌」でもない「真核生物」である「原生生物」だ、ということになります。

「分類学」が完璧ではないからと言えば、言い訳になりますが、本日の講義は以上です(苦しい、、)。






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Friday, July 23, 2010

What is Life? 「どうぞのいす」

世間では、「夏休み」なるものが、始まっているようですね。夏を満喫できていらっしゃいますか?

さて、本日は、「どうぞのいす」に関する講義です。この「どうぞのいす」という絵本は、サミぃが最も好きな絵本の一つです。サミぃは、幼稚園生のときにこの絵本を読みました。サミぃが「おおきくなったらいきものはかせになる」と誓った頃と、ほぼ同じ頃です。

この絵本の、ストーリーは、読んでいただいた方がいいので、敢えてここでは紹介しません。しかし、今でも、この絵本は、多くの幼稚園生に読まれている、とても有名な絵本です。

さて、実は、この絵本に出てくる「どうぞのいす」をサミぃは発見しました。本日の講義は、その「どうぞのいす」に関するものです。「どうぞのいすは」、サミぃの自宅の近くにある、ケーキ屋さんにありました。

そのケーキ屋さんの名前は、Catmints(キャットミント)といいます。一人のパティシエールがケーキ作りから何から、ほぼ全てを切り盛りしている、とても可愛い、とても小さな、そして、とてもおいしいケーキを提供してくださっている、素晴らしいお店です。

住所や、連絡先は、以下の通りです。
211-0041
神奈川県川崎市中原区下小田中4-6-19
Tel/Fax 044-751-5025

サミぃの大好きな「銀座コージーコーナー」よりも、はるかにおいしいケーキが、そこにあります。もし、お近くにお寄りの際は、訪れてみてください。ただし、盛夏(8月)はお休みです。どうやら、それは、暑いと、品質をコントロールしにくいからのようです。

最後に、「どうぞのいす」の写真(iPhone3GSで撮影)を以下に示します。


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Thursday, July 22, 2010

What is Life? 梅干しについて(その2)

毎日、暑い日が続いていますが、皆様、いかがお過ごしでしょうか。さて、本日は、前回に引き続いて、「梅干し」に関して、お伝え致します。

前回は、「梅干し」の材料と、作り方をご紹介し、最後に「塩」が重要だと、お伝え致しました。この度、サミぃが通常講義の再開を遅らせてまで、「梅干し」を採り上げているのには、それなりの理由がございます。

実は、先日、近所の区役所の管理栄養士の方の、講演を聞いたのです。生物学者として、彼女の講演内容には、明らかな間違い、というか認識不足と思われる点が、いくつかあったのですが、その一つが、今回、採り上げている「梅干し」のことなのです。

彼女は以下のように説明していました。
(1)梅干しや漬け物には、多量の塩分が含まれている。
(2)高血圧には塩分摂取量が関係している。
(3)梅干し一個に、数グラムの塩分が含まれている。
(4)減塩とラベルのある梅干しを選んで食べることをお勧めします。

以上のようなお話でした。しかし、スーパーなどで見る「梅干し」のようなものの原材料名を見てみてください。「梅」「塩」「しそ」以外に、如何に様々なものが使われているか、お分かりかと思います。

昔は、そうした味を整えたり、賞味期限を延ばすようなものは、在りませんでした。そうしたものを加えるのは、何か、理由があるはずです。「減塩」の名のもとに、売り上げを伸ばそうという、考えもあるのでしょうが、そこは、賢明な消費者は、「おや?」と思うべきだと、サミぃは考えています。

昔、内陸で暮らす人は、「塩」を手に入れるため、海に近い人達との間で、物々交換で、「塩」を手に入れていました。「梅」がなぜ、保存食として、選ばれたのかは、サミぃは知りません。だって、「梅干し」でなくとも、「柿干し」(干し柿がありましたね(^^;))とか、その他、何かあってもよさそうですが、ま、、。

で、さらに、昔の人は、精米の技術が、今ほど、発達していなかったので、「玄米」を食べていたはずです。精米された「銀シャリ」などは、お金持ちの食べ物だったそうです。

現代では、「玄米」は何か、「ありがたいもの」という感覚があるようですが、「玄米100%」のご飯を食べてみてください。簡単に言うと、おいしくないから。でも、栄養価は極めて高いです。白米の周りにある「糊粉層」には、タンパク質を初めとして、多くの栄養素が、多量に含まれています。

これは、「塩」に関しても、同様のことが言えます。NaCl が99%である、食塩は、人間が生きるために必要な「ミネラル」を殆ど含んでおりません。「ミネラル」とは何か?ということになると、いささか、面倒なのですが、簡単に言うと、マグネシウムとか、カリウムとか、鉄とか、様々な金属のこと、とお考えいただければよろしいかと存じます。

確かに、Na(ナトリウム)は非常に重要ですが、それ以外の、海水に含まれている、ミネラルは、体にとって、必須なものなのです。昔の人は、「玄米」と「梅干し」だけで、東京から、京都まで、走りきったと言われております。飛脚と呼ばれる手紙を運ぶ仕事をしていた人達の話です。

塩分の取り過ぎは、血液の浸透圧を一定に保つために、体の各臓器に負担をかけてしまうことは、間違いないのですが、体を維持し、持久力に欠かせないミネラルを取ることは、とても大切なのです。「減塩」などと書いてある、「偽物」を食べるくらいなら、「生協」から、「梅干し作りキット(?)」を入手して、自分で作るべきだと、サミぃは思うのです。

今回の講義内容を、まとめると、「玄米梅干しおにぎりを食べてみてください。元気になりますよ。」ということです。本日は以上です。

*次回は「どうぞのいす」についてです。お楽しみにo(^-^)o



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Wednesday, July 21, 2010

What is Life? 梅干しについて(その1)

さて、暑い季節になって参りました。世の中では、サミぃの子ども達も含めて、これから「夏休み」と呼ばれる期間だそうです。そこで、よく考えた結果、もうしばらく、通常の講義再開を、先延ばしして、サミぃが気になっている「生き物」関連の話題を扱って行くことにしました。

もちろん、これは、「集中講義」でも「通常講義」でもないので、試験になんか出ません(^^;)。で、本日は、「梅干し」の話です。

みなさんも、何度か、この「梅干し」という食品を召し上がったことがおありかと存じます。「梅干し」は、サミぃの好きな食材の一つです。ただ、市販の「梅干し」のようなものは、まずくて食べたくないので、自宅で、作っています。

みなさんは、「梅干し」の材料をご存知でしょうか?既に、現代では、自宅で「梅干し」を作っているご家庭は、あまり多くないのが実情かと思います。では、「梅干し」の材料は何でしょうか?ご存知の方はいらっしゃいますか?こちらからは見えないので、大変申し訳ございませんが、こちらで、説明させていただきます。

答えは(1)梅、(2)塩、(3)しそ、この三つです。もちろん、漬けるためのカメを焼酎で殺菌したりはしますが、基本的には、上記の三つです。

次に、作り方です。どうですか?ご存知でしょうか。これも見えないので、こちらから紹介させていただきます。

(1)梅を消毒し、塩漬け(砂糖も大量に加える)にする
(2)出てきた水分を捨てて、梅を干す(だから梅干し)
(3)しそと塩を追加して、瓶に入れて保存(一年以上)

たったこれだけです。では、なぜ、昔から、「梅干し」は保存食として活用されてきたのでしょうか?お分かりの方はいらっしゃいますか?ヒントは「塩」にあります。本日は以上です。続きは次回です。

さて、本日は、出欠確認はなしです。そのかわり、誰かお友達とか、ご両親とか、皆さんの周りの誰かと、What is Life?(生き物って何?)について、お話してみてはいかがでしょうか。もしかすると、その答えは、このブログに既に書いてあるか、あるいは、今後掲載されるかも知れません。

くどいとお感じかもしれませんが、お願い致します。生き物って何でしょうか?それを考えていただけませんでしょうか。よろしく御願い致します。暑い日々が続いておりますので、くれぐれもお体にはお気をつけ下さい。m(..)m



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Monday, July 19, 2010

What is Life? 下村脩 先生

さて、本日、夏期集中講義のレポート提出日だったのですが、残念ながら、レポートの提出者はゼロでした。講義担当教官として、これほど悲しいことはございません。とはいえ、その理由が、こちら側に在るとしたら、今後の講義そのもののやり方を変えなければならないかも知れないのですが、ちょっと、それはすぐには出来ません。



いずれにしても、本日は、通常の講義に戻る前に、最近気になっていることをお伝え致します。本日の内容は、ノーベル賞受賞者の、「下村脩 先生」のことでございます。下村先生は、今では、あらゆる生き物の研究に用いられている、「GFP」という名前の、緑に光るタンパク質を発見された、サミぃもとても御世話になっている方です。

このWhat is Life?をご覧になっている聴講生が、どのようなご経歴の方なのかは、こちらからは、全く見えないので、分かりません。ですので、もしかしたら、本日の講義は、「くどい」説明になるかもしれませんが、お許し下さい。

下村先生は、1928年(昭和3年)に京都にお生まれになり、その後、長崎で被爆され、その後、世界一の海洋生物研究所として、有名なウッズホール海洋生物学研究所(サミぃもここでの学会に呼ばれたことがあります)、プリンストン大学などでご研究され、数々の発光タンパク質の研究業績を残され、現在でもご研究を続けていらっしゃいます。

実は、今、日経新聞の、「私の履歴書」という欄で、先生のこれまでの生い立ちについて、執筆されております。この連載が始まったのは、今月の1日でして、いつまで続く予定なのかは、分かりませんが、非常に興味深いことが、数多く書かれております。

特に、7/18の記事には、先生がクラゲから「イクオリン」と名前をつけたタンパク質と、「GFP」タンパク質を発見された内容が書かれており、生物学者の後輩として、大変興味深く拝見致しました。

聴講生のために、この「GFP」に関して、少しだけ、説明致します。これは、そもそも、クラゲが持っているタンパク質なのですが、その遺伝子の配列が分かり、現在では、その遺伝子を、目的の細胞や、目的の生き物の体の中で、人工的に作らせる方法があるのです。

だから、簡単に言うと、細胞や生き物に、「生きたまま」目印を付けることができるのです。だから、そうして目印がつけられた細胞や、生き物を、生きたまま、体の中のどこにあるのかが、分かるだけではなく、例えば、他のタンパク質と一緒に、この「GFP」を作らせるようにすると、その比較として、そうしていないものと比べることができるわけです。

これでも、多分、ピンと来ないでしょうね、、、そうそう、こう言えばどうでしょうか。例えば、癌細胞にこの「GFP」を作らせて、その細胞をネズミに移植したとしましょう。そうすると、癌ですから、ネズミの中で大きくなります。そこに、抗がん剤を投与すると、癌は、小さくなります。しかし、その抗がん剤の効き目を調べるために、その度ごとにネズミを殺していたのでは、何匹もネズミを殺さなければなりません。

「GFP」は特殊な光を当てると、緑に光りますので、ネズミを殺さなくても、癌が小さくなっていることを、毎日観察することが出来る訳です。これは、一例に過ぎないので、実際には、他にもあらゆる使用方法が、世界中で試されています。

もし、下村先生のことを、もっとお知りになりたいとお感じなった場合は、日経新聞に問い合わせをしていただくか、お近くの図書館に行かれるか、あるいは、直接、下村先生ご本人にご相談さてみてはいかがでしょうか。すみません。



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Sunday, July 18, 2010

What is Life? 休憩3(NewtonとNational Geographic)

さて、今日はまだ、休憩というか雑談です。みなさんも、Scientistあるいはそれを目指す、はたまた、かつてのScientistかもしれませんね。だとしたら、一度は「Newton」、あるいは「National Geographic」という科学雑誌の名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。

サミぃも子どもの頃、主に「Newton」をよく読んだものです。ただ、当時の編集長である竹内均、東京大学名誉教授(故人)が物理屋さんだったためか、何となく、物理、地学、天文学の内容が多く、生物学的な内容が、若干少ないように感じていました。

しかし、本日、図書館で改めて見てみると、生物学、古生物学、医学、そういった内容が非常に多く、楽しく拝見させていただきました。

一方の、「National Geographic」、こちらも大変有名なものですが、基本的には、海外からのものでして、一般の人には、若干内容は難しいかもしれませんね。ただ、「National Geographic」は、特に、歴史に注力しているような傾向があり、昔のことを知りたいサミぃにはもってこいの、素晴らしい雑誌です。

どちらの雑誌も、お近くの図書館にあると思います。もし、既にレポートが完成しているのであれば、図書館で勉強するというのも、気分転換によろしいかと存じます。さ、まだ出来ていない聴講生は、ラストスパートで完成させて、7/19の正午までに、提出してください。本日は以上です。


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Saturday, July 17, 2010

What is Life? 休憩2(夏期集中講義へのリンク)

毎日、暑いですね。さて、このWhat is Life?も少しずつですが、聴講生の数が増えてきたようです。そこで、最近、聴講生になった方のために、夏期集中講義へのリンクを載せることにしました。

(その1)から(その4)までありまして、それを全部受講し、レポートを提出すると、単位がもらえることになっております。通常の講義であれば、画面右にある「ブログアーカイブ」というところから、ご覧下さい。最初から通してご覧頂くことをお勧め致します。こちらは、7/19頃に再開します。

さて、夏期集中講義へのリンクは以下の通りです。既に受講済みの聴講生は、レポート作成に着手し、ここで、初めて受講する聴講生は、急いで受講し、月曜日(7/19)正午までにレポートを提出してください。

集中講義「捕鯨問題」(その4)



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Friday, July 16, 2010

What is Life? 休憩

さすがに集中講義は疲れました、よね?レポートの準備は始めていますか?自由記述なので、賛成でも、反対でも、分からなかったでも、何でもOKです。出せば最低でも「C」を出します。あ〜、疲れました。ところで、聴講生は増えましたか?こちらでは良く分からないのです。

えっと、今日は集中講義後の、雑談です。試験には出ませんし、大丈夫です。今日も関東地方は暑かったです。しかし、九州、中国、四国地方にお住まいの方は、大変のようですね。自分も子どもの頃、台風13号にやられた8/5水害(東北)を覚えています。低地が海のようになっていて、それはそれは、。

さ、早くレポート出して、遊びに行けばどうでしょうか?海の日だそうなので、。こっちはレポートの添削が待っているかと思うと、、いやいや、いいんです。どんどん出してください。よろしく御願い致します。で、念のためバナークリックをお願い致します。




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What is Life? 集中講義「捕鯨問題」(その4)

さて、前回までの講義では、まず、

(1)ザ コーブというイルカ漁に関する映画について、監督がどのような気持ちや、考えに基づいてこの映画を撮影したのかを、サミぃが理解した範囲でご紹介し、

(2)次に、サミぃの「捕鯨問題」に関する考えを示しました。

そこで、本日は、

(3)これまで日本の捕鯨問題に関して、熱心にご活動されてきた、(元)水産庁捕鯨問題担当、(現)政策研究大学院大学教授でいらっしゃる、小松正之先生のお考えを、サミぃの理解した範囲でご紹介致します。

初めに、小松先生のご略歴を以下に簡単に紹介致します。小松先生は、

1953年、すなわち、昭和28年に、岩手県でお生まれになり、東北大学をご卒業後、
1977年に、農林水産省に入省(上級職(甲)水産庁配属)されました。その後、
1984年に、米国エール大学経営学大学院を修了され、
2004年には、農学博士号を取得(東京大学)されました。お仕事では、
1988-91年在イタリア日本国大使館一等書記官、
2000-02年水産庁参事官(国際交渉担当)、
2002-05年水産庁漁場資源課長、
2005-07 独立行政法人水産総合研究センター理事を経まして、現在は、
2008年から、政策研究大学院大学(GRIPS)教授として、現在に至っていらっしゃいます。

先生の、捕鯨問題に対する著書や、ご活躍に関しては、ここで全てを紹介することはできませんが、国際捕鯨委員会(IWC)では、タフネゴシエーターとして広く知られ、「日本に小松在り」と恐れられていたと伺っております。

さて、そうした小松先生のお考えは、各所で発表されている訳ですが、サミぃが、最近、読んだものに、2010年4月17日、朝日新聞朝刊、15面に掲載されていた「オピニオン・異議あり」というものがございます。当時は、ワシントン条約締約国会議に於いて、大西洋産のクロマグロの国際取引を禁止する提案が、日本などの国々の反対によって、「否決」されたばかりの頃で、サミぃは、「日本の水産庁はかなり頑張ったんだろうな」と思っていました。

しかし、朝日新聞の記事を読むと、小松先生は逆に、「規制強化に乗り出すべきだった」とお書きになっておりました。サミぃは、これにはかなりショックを受けましたが、何度か繰り返して読むことで、「科学的根拠が重要だ」という、小松先生のお考えと、サミぃの持つ「科学的に考え、生物学的に考えることが重要だ」という考えに、多くの共通点があることに、気がついたのです。

すでに、3ヶ月も前の新聞記事ですので、皆様はご覧になれませんので、以下に、簡単に、サミぃの読み取ったダイジェストを、箇条書きで示します。

(1)クジラ肉が国内で売れずに在庫が増えているのは、クジラ船の冷凍庫の温度が、マグロ船のように、急速冷凍をできないものであるために、味や質が低下し、売れていないということがある。

(2)現在の調査捕鯨は、商業捕鯨を再開するための、科学的データを集める目的で行われていること。

(3)科学的調査によって、南氷洋のミンククジラは、数が潤沢に在ることが分かったこと。

(4)科学的データをもとに、食料資源として、クジラを捕るべきだが、科学的根拠が在るのにも関わらず、それを十分に主張できていないし、それらが理解されていないという問題がある。

以上、4点が、朝日新聞に掲載された記事の、概要だとサミぃは読み取りました。つまり、サミぃもそうですが、小松先生は、「科学的根拠に基づいて議論すること」が重要だと仰っているとサミぃは感じています。

だとすると、今後、日本を初めとする捕鯨国と、かつての捕鯨国が多く含まれている反捕鯨国との間で、どのように議論し、問題点を明らかにし、お互いの文化や、考え方や、歴史などを、尊重し合いながら、「生物が生きる」この地球を、どうしていかなければならないかは、自ずと結論が出てくるのではないかと、サミぃは感じております。

要は、Science、これに尽きるとサミぃは考えます。もちろん、中には、法典、あるいは聖書と呼ばれる、宗教信者が大切に思う文書に、捕鯨問題に関連した記述が在ることで、この問題を、ある程度、複雑化しているという現実もあるのでしょう。しかし、現代では、「神様」を否定する訳ではないのですが、日本では、DNAやRNAといった「物質」に、タンパク質のアミノ酸配列の情報が記載されていて、それが設計図となり、「生き物」の体が作り出されていることを、高校の授業で習います。

世界の全てを「神様」がお作りになったと、考えることで、納得できる事象も、ある程度あるのでしょう。しかし、人類は多様な文化や、習慣をもつ、「多様性」を有する「生き物」です。よって、そうした「違い」を理解し、認めなければ、世界から永遠に「戦争」は無くなりませんし、自らの主張ばかり突き進めるのでは、近い将来、必ず、この地球は、「生き物」、主に「人間」が住めない星になるでしょう。

「人間」が住めない星になれば、おそらく、その環境に適応した、別の「生き物」が栄えるかも知れません。とはいっても、それには、気が遠くなるほどの時間が必要なはずです。太陽が、燃え尽きるのが早いか、地球が、太陽の膨張に飲み込まれるのが早いか、それは、天文学の専門家ではないので、サミぃには分かりません。

でも、例えば、あと1万年くらいは、「人類」が存在できて欲しいと思います。もちろん、他の「生き物」との調和をはかりながらです。これはかなり、タフなMissionです。当然、「石油」は無いでしょうし、エネルギー問題、食料問題など、クリアーしなければならない課題は山積みです。やれ二酸化炭素がとか、やれ、捕鯨がなど、その頃は、、、良く分かりません。

いずれにしても、今後、1万年、「種」として、人類が生き続けるには、目先のことも、その先のことも、同じように捉えて、考えなければならないのです。サミぃは、単なる生物学者です。宗教、というか、心の中に、たまに、あ、もしかして、これは、とっくの昔に亡くなったおじいちゃんが助けてくれたのかな?と思う時も、ありますが、科学的には、おそらく、それはあり得ません。しかし、そう考えることで、自らの精神の安寧が計れるのであれば、それは個人の自由です。他人に強要などしません。自由なのです。みなさんは、どのようにお感じになりましたか?ためになったでしょうか?何かの役に立ったことを期待しています。

さて、本講義、すなわち、集中講義「捕鯨問題」は、これで終了です。暑い中、聴講生は、頑張って講義を聴いてくれたようで、講義担当教官として、大変うれしく思います。

講義の最後として、レポートの提出を求めます。単位が欲しい人は、レポートを提出してください。

(1)レポートの提出期限は7/19月曜日(海の日)の正午。
(2)内容は自由記述形式で、宛先はsammyclickpress@gmail.com
(3)メール本文に記述するか、リッチテキストフォーマット(.rtf)の添付書類で、提出してください。Wordの独自形式(.docあるいは、.docx)の添付書類などで送られても、採点しません。
(4)メールタイトルは必ず「捕鯨問題レポート」というタイトルで送ること。それ以外は認めません。
(5)メールによってのみ、受け付けます。コメントは採点対象外です。
(6)単位はいらないけど、感想は送りたいという聴講生は、コメントしてください。
*それと、文字化けして読めなかった場合は、テキストファイル(rtf:リッチテキストフォーマット)での再提出を求める場合がございます。それを考慮すると、早めの提出を希望します。厳しいことを書いているように思われるかもしれませんが、マジなシャレを貫き通しているので、どうかご理解下さい。





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