さて、前回までの講義では、まず、
(2)次に、サミぃの「捕鯨問題」に関する考えを示しました。
そこで、本日は、
初めに、小松先生のご略歴を以下に簡単に紹介致します。小松先生は、
1953年、すなわち、昭和28年に、岩手県でお生まれになり、東北大学をご卒業後、
1977年に、農林水産省に入省(上級職(甲)水産庁配属)されました。その後、
1984年に、米国エール大学経営学大学院を修了され、
2004年には、農学博士号を取得(東京大学)されました。お仕事では、
1988-91年在イタリア日本国大使館一等書記官、
2000-02年水産庁参事官(国際交渉担当)、
2002-05年水産庁漁場資源課長、
2005-07 独立行政法人水産総合研究センター理事を経まして、現在は、
2008年から、政策研究大学院大学(GRIPS)教授として、現在に至っていらっしゃいます。
先生の、捕鯨問題に対する著書や、ご活躍に関しては、ここで全てを紹介することはできませんが、国際捕鯨委員会(IWC)では、タフネゴシエーターとして広く知られ、「日本に小松在り」と恐れられていたと伺っております。
さて、そうした小松先生のお考えは、各所で発表されている訳ですが、サミぃが、最近、読んだものに、2010年4月17日、朝日新聞朝刊、15面に掲載されていた「オピニオン・異議あり」というものがございます。当時は、ワシントン条約締約国会議に於いて、大西洋産のクロマグロの国際取引を禁止する提案が、日本などの国々の反対によって、「否決」されたばかりの頃で、サミぃは、「日本の水産庁はかなり頑張ったんだろうな」と思っていました。
しかし、朝日新聞の記事を読むと、小松先生は逆に、「規制強化に乗り出すべきだった」とお書きになっておりました。サミぃは、これにはかなりショックを受けましたが、何度か繰り返して読むことで、「科学的根拠が重要だ」という、小松先生のお考えと、サミぃの持つ「科学的に考え、生物学的に考えることが重要だ」という考えに、多くの共通点があることに、気がついたのです。
すでに、3ヶ月も前の新聞記事ですので、皆様はご覧になれませんので、以下に、簡単に、サミぃの読み取ったダイジェストを、箇条書きで示します。
(1)クジラ肉が国内で売れずに在庫が増えているのは、クジラ船の冷凍庫の温度が、マグロ船のように、急速冷凍をできないものであるために、味や質が低下し、売れていないということがある。
(2)現在の調査捕鯨は、商業捕鯨を再開するための、科学的データを集める目的で行われていること。
(3)科学的調査によって、南氷洋のミンククジラは、数が潤沢に在ることが分かったこと。
(4)科学的データをもとに、食料資源として、クジラを捕るべきだが、科学的根拠が在るのにも関わらず、それを十分に主張できていないし、それらが理解されていないという問題がある。
以上、4点が、朝日新聞に掲載された記事の、概要だとサミぃは読み取りました。つまり、サミぃもそうですが、小松先生は、「科学的根拠に基づいて議論すること」が重要だと仰っているとサミぃは感じています。
だとすると、今後、日本を初めとする捕鯨国と、かつての捕鯨国が多く含まれている反捕鯨国との間で、どのように議論し、問題点を明らかにし、お互いの文化や、考え方や、歴史などを、尊重し合いながら、「生物が生きる」この地球を、どうしていかなければならないかは、自ずと結論が出てくるのではないかと、サミぃは感じております。
要は、Science、これに尽きるとサミぃは考えます。もちろん、中には、法典、あるいは聖書と呼ばれる、宗教信者が大切に思う文書に、捕鯨問題に関連した記述が在ることで、この問題を、ある程度、複雑化しているという現実もあるのでしょう。しかし、現代では、「神様」を否定する訳ではないのですが、日本では、DNAやRNAといった「物質」に、タンパク質のアミノ酸配列の情報が記載されていて、それが設計図となり、「生き物」の体が作り出されていることを、高校の授業で習います。
世界の全てを「神様」がお作りになったと、考えることで、納得できる事象も、ある程度あるのでしょう。しかし、人類は多様な文化や、習慣をもつ、「多様性」を有する「生き物」です。よって、そうした「違い」を理解し、認めなければ、世界から永遠に「戦争」は無くなりませんし、自らの主張ばかり突き進めるのでは、近い将来、必ず、この地球は、「生き物」、主に「人間」が住めない星になるでしょう。
「人間」が住めない星になれば、おそらく、その環境に適応した、別の「生き物」が栄えるかも知れません。とはいっても、それには、気が遠くなるほどの時間が必要なはずです。太陽が、燃え尽きるのが早いか、地球が、太陽の膨張に飲み込まれるのが早いか、それは、天文学の専門家ではないので、サミぃには分かりません。
でも、例えば、あと1万年くらいは、「人類」が存在できて欲しいと思います。もちろん、他の「生き物」との調和をはかりながらです。これはかなり、タフなMissionです。当然、「石油」は無いでしょうし、エネルギー問題、食料問題など、クリアーしなければならない課題は山積みです。やれ二酸化炭素がとか、やれ、捕鯨がなど、その頃は、、、良く分かりません。
いずれにしても、今後、1万年、「種」として、人類が生き続けるには、目先のことも、その先のことも、同じように捉えて、考えなければならないのです。サミぃは、単なる生物学者です。宗教、というか、心の中に、たまに、あ、もしかして、これは、とっくの昔に亡くなったおじいちゃんが助けてくれたのかな?と思う時も、ありますが、科学的には、おそらく、それはあり得ません。しかし、そう考えることで、自らの精神の安寧が計れるのであれば、それは個人の自由です。他人に強要などしません。自由なのです。みなさんは、どのようにお感じになりましたか?ためになったでしょうか?何かの役に立ったことを期待しています。
さて、本講義、すなわち、集中講義「捕鯨問題」は、これで終了です。暑い中、聴講生は、頑張って講義を聴いてくれたようで、講義担当教官として、大変うれしく思います。
講義の最後として、レポートの提出を求めます。単位が欲しい人は、レポートを提出してください。
(1)レポートの提出期限は7/19月曜日(海の日)の正午。
(2)内容は自由記述形式で、宛先はsammyclickpress@gmail.com
(3)メール本文に記述するか、リッチテキストフォーマット(.rtf)の添付書類で、提出してください。Wordの独自形式(.docあるいは、.docx)の添付書類などで送られても、採点しません。
(4)メールタイトルは必ず「捕鯨問題レポート」というタイトルで送ること。それ以外は認めません。
(5)メールによってのみ、受け付けます。コメントは採点対象外です。
(2)内容は自由記述形式で、宛先はsammyclickpress@gmail.com
(3)メール本文に記述するか、リッチテキストフォーマット(.rtf)の添付書類で、提出してください。Wordの独自形式(.docあるいは、.docx)の添付書類などで送られても、採点しません。
(4)メールタイトルは必ず「捕鯨問題レポート」というタイトルで送ること。それ以外は認めません。
(5)メールによってのみ、受け付けます。コメントは採点対象外です。
(6)単位はいらないけど、感想は送りたいという聴講生は、コメントしてください。
*それと、文字化けして読めなかった場合は、テキストファイル(rtf:リッチテキストフォーマット)での再提出を求める場合がございます。それを考慮すると、早めの提出を希望します。厳しいことを書いているように思われるかもしれませんが、マジなシャレを貫き通しているので、どうかご理解下さい。
サミぃは生物学担当、だとすると、誰か化学担当が居るといいなぁと思うのですが、誰か化学担当しませんか?え?物理?Ok please(^_^)
ReplyDelete生物史から自然の摂理を読み解くhttp://www.biological-j.net/blog/
ReplyDeleteというブログから来ました。
コメントありがとうございます。
私達は生物史好きのグループでやっているのですが、「事実」を軸に様々な追求を行っており、貴ブログとも近いスタンスを取っております。
但し、素人ですが・・・
集中講義受けさせてもらいました。
SCIENCEは非常に重要だと思います。
但し、単純にSCIENCEで追求する事の出来ない状況にあるのはなぜなのか?というSCIENCEを超えた次元での追求も合せて必要になるのかなと感じました。
恐らく集団相互の利害関係かと思いますが・・・・・・
今後ともよろしくお願いします。
arincoさん、いつも大変御世話になっております。
ReplyDelete科学を超えた、、、確かに、しかし、それでは地球は滅びる、それが、サミぃのスタンスです。ヒトは単なる、生き物の一種で、特別なものとは考えるべきではないと思います。ただ、そこには、深い矛盾があるのですが、。
今後ともどうか、相互扶助の精神でお願い致します。