Monday, July 19, 2010

What is Life? 下村脩 先生

さて、本日、夏期集中講義のレポート提出日だったのですが、残念ながら、レポートの提出者はゼロでした。講義担当教官として、これほど悲しいことはございません。とはいえ、その理由が、こちら側に在るとしたら、今後の講義そのもののやり方を変えなければならないかも知れないのですが、ちょっと、それはすぐには出来ません。



いずれにしても、本日は、通常の講義に戻る前に、最近気になっていることをお伝え致します。本日の内容は、ノーベル賞受賞者の、「下村脩 先生」のことでございます。下村先生は、今では、あらゆる生き物の研究に用いられている、「GFP」という名前の、緑に光るタンパク質を発見された、サミぃもとても御世話になっている方です。

このWhat is Life?をご覧になっている聴講生が、どのようなご経歴の方なのかは、こちらからは、全く見えないので、分かりません。ですので、もしかしたら、本日の講義は、「くどい」説明になるかもしれませんが、お許し下さい。

下村先生は、1928年(昭和3年)に京都にお生まれになり、その後、長崎で被爆され、その後、世界一の海洋生物研究所として、有名なウッズホール海洋生物学研究所(サミぃもここでの学会に呼ばれたことがあります)、プリンストン大学などでご研究され、数々の発光タンパク質の研究業績を残され、現在でもご研究を続けていらっしゃいます。

実は、今、日経新聞の、「私の履歴書」という欄で、先生のこれまでの生い立ちについて、執筆されております。この連載が始まったのは、今月の1日でして、いつまで続く予定なのかは、分かりませんが、非常に興味深いことが、数多く書かれております。

特に、7/18の記事には、先生がクラゲから「イクオリン」と名前をつけたタンパク質と、「GFP」タンパク質を発見された内容が書かれており、生物学者の後輩として、大変興味深く拝見致しました。

聴講生のために、この「GFP」に関して、少しだけ、説明致します。これは、そもそも、クラゲが持っているタンパク質なのですが、その遺伝子の配列が分かり、現在では、その遺伝子を、目的の細胞や、目的の生き物の体の中で、人工的に作らせる方法があるのです。

だから、簡単に言うと、細胞や生き物に、「生きたまま」目印を付けることができるのです。だから、そうして目印がつけられた細胞や、生き物を、生きたまま、体の中のどこにあるのかが、分かるだけではなく、例えば、他のタンパク質と一緒に、この「GFP」を作らせるようにすると、その比較として、そうしていないものと比べることができるわけです。

これでも、多分、ピンと来ないでしょうね、、、そうそう、こう言えばどうでしょうか。例えば、癌細胞にこの「GFP」を作らせて、その細胞をネズミに移植したとしましょう。そうすると、癌ですから、ネズミの中で大きくなります。そこに、抗がん剤を投与すると、癌は、小さくなります。しかし、その抗がん剤の効き目を調べるために、その度ごとにネズミを殺していたのでは、何匹もネズミを殺さなければなりません。

「GFP」は特殊な光を当てると、緑に光りますので、ネズミを殺さなくても、癌が小さくなっていることを、毎日観察することが出来る訳です。これは、一例に過ぎないので、実際には、他にもあらゆる使用方法が、世界中で試されています。

もし、下村先生のことを、もっとお知りになりたいとお感じなった場合は、日経新聞に問い合わせをしていただくか、お近くの図書館に行かれるか、あるいは、直接、下村先生ご本人にご相談さてみてはいかがでしょうか。すみません。



本日の講義は以上です。最後に、出欠をとります。以下のバナーをクリックしたことで「出席」と認めます。


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1 comment:

  1. サミぃは以前、Click & Pressというページをやってました。おすすめサイトにのせている方々は、なんだかんだ言っても、どうやら(?)昔からの知り合いだったようです。世間は狭く、かつ、みんながんばっているのです。

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Thank you!